バイオエタノールの憂鬱

最近バイオエタノール燃料の販売が始まったらしい。
石油枯渇の懸念から植物油からガソリン燃料の代替燃料として製品化された燃料である。原料は小麦やさとうきび。
石油に代わるガソリン代替燃料として、そして石油を使わないということで自然エネルギーというクリーンなイメージで登場。Co2排出量も少ないらしい。
しかし厄介なニュースも舞い込んでいる。


オレンジジュースが値上がりだの、パンが値上がりだの。
なんで?
原料となるオレンジや小麦の出荷量が落ちているためだそうだ。
小麦やさとうきびは、食用として出荷されていたものが、この燃料用としての需要が高まり、商社で取り合いになっている。需要バランスが崩れてきたわけだ。
またオレンジ農家や果物農家が、果物出荷よりもさとうきびのほうが高く売れるということで栽培作物を燃料用に切り替えている農家が増えているらしい。
そのためにオレンジの出荷量が下がってしまったために、オレンジジュースが値上がりしているようだ。
しかも先物取引でこの燃料用作物が値上がりしているのも牽引して農家は興味深々らしい。
バイオエタノールはいいものなんだろうか?
食料生産を圧迫して、ガソリンの代替燃料を生産することはいいことだろうか?
単純に懸念していることは、人が食べない作物を生産する過程において、コスト至上主義と効率化を先行させ人的影響を考慮しなくていいということほど恐ろしいことはないような気がする。簡単に発想したことだけど、人が食べないならなんでもアリにならないだろうか?
例えば、農薬や化学肥料を効果的に活用して、より多く、より大きく育てる。ことによる大地の老廃。遺伝子組み替えによる燃料に特化した作物の生成。によるイビツな作物の出現。その種子飛散による周辺作物の突然変異(人に害があるかも)
つまり、人が食べない作物をつくるということ、人の命に関わらない生命を作り出すこと、そんな基本的なモラルが一気に吹っ飛んでしまいそうな燃料精製ビジネスが世界的に立ち上がってしまっているのだ。
環境にいいなんてことは、あるかもしれないが、悪いことのほうが大きくなる予感がする。Co2量削減のいい分は、車からの排気ガス中にはCo2が含まれるが、作物を生産することで、その作物がCo2を吸収することによる差し引きゼロで、Co2が排出しないまたは少ないという論理的な正論を展開している。
京都議定書もそうだがチームマイナス6というキャンペーンを喜んでやっているけど、実際はプラス20という日本において、その差し引き分をロシアやアフリカから数字を買うことで、日本をマイナス6にするらしい。つまり26分買うということだけど、そんな数字の操作が環境を良くすると思っているのだろうか。
そこにあるのは、結局はなんらかの利権関係、利害関係だけである。環境はネタでしかない。バイオエタノールも実際に石油が枯渇するという将来を見据えて必要な技術であるかもしれない。しかしそれは決して環境によいクリーンエネルギーではなく、石油と同じ、地球にとって望まれない代替エネルギーのひとつでしかない。
燃料作物という概念は、実際には木々が燃料として利用されていることから目新しい概念ではないだろうけど、実際に食料危機をも見据えた正しい供給と生産を模索してほしいと願う。
自分は廃油(SVO,WVO)を燃料とする珍しい車に乗っているが、捨てるものを燃料とする発想がなんとなく好きだ。Co2を排出するのかもしれないけど、よくわからないけど、新しい油を使うのとのバランス感覚は廃油のほうがいいっぽい。

This entry was posted on 水曜日, 5月 16th, 2007 at 6:43 PM and is filed under カルチャークリエイティブ, 社会風潮. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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